便秘やむくみ、冷えも解消! 腸活のためにとりたい栄養&食品まとめ
「第2の脳」といわれる腸は、体内最大の免疫器官。腸内環境が乱れ、腸の働きが悪くなっていると、腹部だけでなく、冷え、頭痛、肩こりなど全身に不調が現れます。大腸治療の権威、松生恒夫先生に腸の働きを促すためにとりたい栄養&食品を教えてもらいました。
食物繊維の豊富な食品
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1の割合で!
「腸活のために真っ先にとりたい栄養素といえば、食物繊維。大きくは不溶性と水溶性の種類に分けられます。不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らむため、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、排便を促進。一方、水溶性食物繊維は、食べ物を包み込んで消化吸収を穏やかにするため、食後の血糖値の急上昇を抑えられます。また、どちらも善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。摂取バランスは、不溶性・水溶性2:1が理想。それを実践した多くの患者さんに、排便状況や腹部症状の改善が見られました」
不溶性食物繊維の多い食品
さつまいも・じゃがいも、ブロッコリー、葉もの野菜、ごぼう、豆類、きのこ、ココア、ピーナッツ、エビ・カニ(甲殻類)など。便のカサを増やすものの、とりすぎると便が固くなる原因になることも。
水溶性食物繊維の多い食品
もずく・昆布・わかめ・ヒジキなど海藻類、オクラ・モロヘイヤ・なめこなどネバネバ食品、果物、アボカド、大麦・オーツ麦、ごぼうなど。腸内へ水を引っ張って、便を軟らかく出しやすくする。
\松永先生おすすめ/
食物繊維たっぷり食品Best3
【キウイフルーツ】不溶性と水溶性の食物繊維を理想的な2:1の割合で含む
「不溶性と水溶性の食物繊維をバランス良く含むキウイフルーツは、まさに腸活食材の王様。ビタミンCもたっぷりで、しかもその量は収穫から半年たっても安定しています。カリウムやビタミンEの補給もできます」
【スーパー大麦】白米の約40倍の食物繊維を含有
「オーストラリアで開発されたスーパー大麦は、100gに23gもの食物繊維を含んでいます。特に、悪玉コレステロールの減少や、食後血糖値の上昇抑制に働きかける大麦B-グルカンがたっぷり!ダイエットにも効果的です」
ゆでて使えるスーパーフード。ほのかに甘くて香ばしい
食物繊維を贅沢に含むスーパー大麦。白米に混ぜて炊いたり、ゆでてサラダにトッピングしたり自由にアレンジ。
はくばく スーパーフード バーリーマックス 180g ¥1,000
食物繊維とオリゴ糖にこだわったおいしいシリアルを朝食に
スーパー大麦、もち麦、果実に加え、4種の水溶性食物繊維、3種の不溶性食物繊維、レジスタントスターチ、2種のオリゴ糖を配合。
日清シスコ 腸活グラノーラ 350g ¥550
【ココア】カカオ70%のココアで便通・便臭の悩みを改善
「ココアには腸まで届くグニンをはじめ、食物繊維がたっぷり。便通や便臭の改善に効果的です。また、血流を促し、体を温める働きも。腸冷え対策におすすめは、オリーブオイルとオリゴ糖を加えたオリーブ・ココア」
甘さ控えめ!ココアで健康習慣
ポリフェノールや食物繊維をしっかりとれるカカオ70%のハイビターコ コア。1杯当たり68kcalと低カロリーで、続けやすい。
森永製菓 森永ココア カカオ70 200g ¥380(編集部調べ)
EXV(エクストラバージン)オリーブオイル
消化管の運動を促す食材の代表格!
「オリーブオイルには、小腸に吸収されにくいオレイン酸が豊富に含まれているため、腸内にとどまって食べカスと混じり、便の滑りを良くします。また、エクストラバージンのオリーブオイルは、しょうがを上回る程の体を温める効果をもつため、腸冷え対策にも有効。さらに最近は、逆流性食道炎の改善にも効果があることが判明されています。抗酸化物質ポリフェノールを約30種類以上も含み、ビタミンEも豊富なため、美肌やエイジングケアにも効果を発揮。ポリフェノールは、ピロリ菌に対抗するという報告もあります」
摂取の目安は1日に15~30ml。スープやサラダに回しかけて!
「オルーブオイルの中でも健康効果や温め効果が高いのは、未精錬で酸化度合いの低いエクストラバージン。スープなどに回しかけるだけで、保湿効果を期待できます。食物繊維が豊富なキウイフルーツと合わせても」
EXVオリーブオイルの優れた保温効果に注目
80度の湯180mlに(1)EXVオリーブオイルを5ml入れたもの、(2)サラダ油を同量入れたもの、(3)白湯とで温度変化を比較。(1)は(2)(3)よりも明らかに長時間、高い温度を保てることがわかった。
オリゴ糖
腸のぜん動運動を促進。善玉菌、ビフィズス菌のエサにも
「オリゴ糖は『消化性オリゴ糖』と 『難消化性オリゴ糖』のふたつに大別され、腸に良い作用をするのは後者。小腸で吸収されないまま大腸に到達して、腸のぜん動運動を促したり、腸内の善玉菌を増やしたりといった働きをします。砂糖と同じくらいの甘さながら、カロリーは半分程度なので、ダイエットにも有効。料理にも砂糖代わりに使って腸を元気に!」
グルタミン(アミノ酸)
小腸・大腸のエネルギー源。腸管の免疫を高める
「アミノ酸の一種、グルタミンは、 腸の粘膜細胞のエネルギー源。粘膜を強化して栄養素の吸収を促すことてで、腸の働きをサポートします。また、リンパ球の栄養分として、腸の免疫活動を円滑にする働きもあるため、意識してとりたい成分です。グルタミンは、生魚や生卵などに豊富。熱に弱く、加熱すると変性してしまうため、生食でとるのがポイントです」
発酵食品
腸内を大掃除するパワフル乳酸菌がたっぷり!
「腸内環境を整える食事として、最もポピュラーなのが発酵食品。中でも漬け物やみそ、納豆、甘酒などに含まれる植物性乳酸菌は、腸に対して非常にパワフルな働きをもちます。温度変化や胃酸に強く、生きたまま腸に届きやすいのが特徴。ただし、ヨーグルトやチーズといった動物性乳酸菌でも、腸に届いたときには善玉菌のエサとして働くため、1日1食はとりたいもの。植物性と動物性は両方をバランス良くとるといいでしょう」
甘さ控えめですっきりとした味わい
高精白の米から丁寧に作られる人気の「あまさけ」シリーズ。ストレートでの飲みやすさを追求し、糖質を30%カットした甘さ控えめタイプ。ホットでも冷やしても◎。
八海醸造麹だけでつくったすっきりあまさけ 118g ¥190
日本初の有機認証!酵母で発酵させた植物エキス
原料となる野菜や果物、黒糖はすべて有機JAS認定を取得。約32種類の旬の作物を酵母や乳酸菌で発酵させ、非加熱でじっくりと抽出した濃縮エキス。
たかくら新産業 だいじょうぶなもの 有機植物発酵エキス 180g ¥6,000
松生先生の著書で発酵食品のレシピをチェック
乳酸菌たっぷりの発酵食品を、毎日手軽においしくとるにはスープがおすすめ。松生先生監修の『医師が教える発酵スープ』(小学館集英社プロダクション)なども参考になります。
胃腸のトラブル対策について伺ったのは…
松生クリニック 院長 松生恒夫先生
まついけつねお/医学博士。大腸内視鏡検査で4万件以上の実績をもつ・「便秘外来」では、地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書も多数。
『美的』7月号掲載
イラスト/すぎうらゆう 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。